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香落ちの話 [将棋]

先週末、里見女流三冠が奨励会一級試験に合格し、正棋士への道のスタートに立った。道のりは険しいでしょうけど、好きな道なら楽しく歩けがモットーの里見女流三冠のこと、きっと頑張ってくれることと思います。

奨励会は、香落ち戦があるので、まずは、それへの対応が課題かもしれません。例会ではいきなり香落ちで負けちゃいましたし・・・。

そこでふと思い出しのが、香落ちの話。現代に残る香落ちは、なぜか左香落ちのみ。古くは右香落ちもあり、結構指されていたんですが、今はなくなっています。

一説には、天野宗歩(留次郎時代だったかも)が、あまりに優秀な定跡を編み出したために、右香落ちは廃れてしまったというのを何かの棋書で読んだことがあるような気がするんだけど、詳しくは思い出せない・・・。

確かに、イメージとしては、左香落ちのほうが、上手としては圧倒的に楽だと思う。下手の角の利きに香車が居ないと言うことをメリットとして生かせることもある。平手の振り飛車で、わざわざ一手かけて香車を浮いたりすることもあるくらいだから、取られないと言うことのメリットは、それなりにある。振り飛車にしておけば、香車のいない端を破られたとしても玉から遠い方だし、最小限の被害に食い止められる可能性がある。最近は、相振りで下手が穴熊というのが増えたので、左香がいないことのメリットは生かしにくい傾向になってきているけど、その場合、上手も弱い端を破られるリスクがなくなっているので、何とか戦えているというところなのかなと思って見ています。

でも、右の香車がいないことを生かせる戦型は、あんまり思いつかない。上手は居飛車にすると、右からの端攻めができないので相居飛車系になったときに非常に痛いし、振り飛車にすると香車がいなくて玉形が薄すぎる。なんだか悩ましい。

それぐらいなら角落ちでも、いいんじゃない?・・・ということなのかな~。考えていると、角落ちの上手のほうが、少なくとも方針としてはわかりやすい気はする。

とはいえ、右香落ちが無くなった経緯については、プロ棋士の間でも結構知られてないらしい。ネットで検索しても、ほとんどヒットしないし。誰か真相をご存じの方がいれば、教えていただきたいところです。


タグ:将棋

第69期名人戦第四局 [将棋]

既報の通り、羽生名人の勝ち。

今シリーズ初の本格相矢倉でした。そこはかとなく、安心感がありますね。じっくり相矢倉なら、いきなりどちらかが序盤で飛ぶことはなく、中終盤のねじり合い勝負になるので。

それにしても、先手4六銀・3七桂戦法に対して、後手が8五歩を先に突く形にした定跡は、何だか久しぶりな感じでした。本局のように穴熊にされるので、微妙に避けられていたような気がします。とはいえ、相当に研究が進んでいる形。両者時間を使わず、すらすらと進んでましたね。

いずれにしても、先手の攻めが速いか、後手が余してカウンターを入れる番が回るかというところが焦点でしたが、結果は、羽生名人の攻めが勝りました。

これで、羽生名人が一勝を返して、通算1-3。星取は厳しいですが、結果はどうあれ、一局でも多く両者の熱戦の将棋を見たいのがファンの気持ち。今後も注目ですね。


タグ:将棋 名人戦

ゾウ換わり腰掛けネコ同型・富岡流の一変化に関する疑問 [将棋]

久々ですが、ゾウ換わり腰掛けネコ先後同型に関する話題。

ようやく、豊島本を購入しました(^_^;)


マイコミ将棋BOOKS 豊島将之の定跡研究

マイコミ将棋BOOKS 豊島将之の定跡研究

  • 作者: 豊島 将之
  • 出版社/メーカー: 毎日コミュニケーションズ
  • 発売日: 2011/01/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



以前、コメント欄でササっとやりとりしてましたが、ここに載っている一変化について、少し疑問を持ったので、ちょっと具体的に書いてみます。もし、「いや~、そこはこうだよ~」というのがあれば、教えていただければ・・・と思います。

一応、まずは基本形から。
zougawari_koshikakeneko.gif

ここから、▲F5ヒヨコ、△同ヒヨコ、▲H4ヒヨコ、△同ヒヨコ、▲I5ヒヨコ、△同ヒヨコ、▲C5ヒヨコ、△同ヒヨコ、▲G5ヒヨコ、△F4ネコ、▲H4キリン、△H3ヒヨコ、▲H9キリン、△D3イヌ、▲I2ヒヨコ、△同イノシシ、▲G4ヒヨコ、△G8ゾウ、▲G9キリン、△H7ゾウ成、▲I1ゾウ、△H8成ゾウと進み、キリンを見捨てて▲F4ゾウ成が普通の富岡流。以下、△G9成ゾウ、▲H2ヒヨコ(途中図)

H2_hiyoko.gif

と、先手は滅多打ちにしてきます。ここから、△同イヌ、▲G3ネコ、△同ウサギ、▲同ヒヨコ成、△同イヌ、▲同成ゾウすべて精算し、△G2ヒヨコ、▲E1成ゾウと自然に進んで、次図。

E1_narizou.gif

ここで、次の▲G4ウサギからの寄せが受けにくく、先手優勢とのこと。まあ、そんな気もしないわけではないけど・・・。

ただ、試しに、ここで、△B1キリン打と粘られたときに、どうするのかな~というのが、よく分かりません。

B1_kirin_utsu.gif

よく見ると、成ゾウが非常に狭いんですね。さすがに、この成ゾウ取りを放置するわけにはいかないと思いますが、逃げ場所がないです・・・。というわけで、ぱっと見は、王手しながらひもをつける▲F1イヌですが、△H1ライオンと躱されたときに、攻めが結構細いような気がします。ウサギを打ったり、はねたり、イノシシを走ってきたりしてきても、丁寧に対応すれば切らせるのでは?・・・という気がします。

もっとも嫌らしい感じなのは、いろいろ保留して、▲F2成ゾウと、じわり迫ってくる手かな~と思うのですが、△同キリンもあるかもしれませんし、あるいは早逃げで△I1ライオンとされても、ぎりぎりながら、どうも手を出しにくい感じがあります・・・。

I1_lion.gif

これで、後手が良いのかと言われると、う~んという感じですが、先手もう~んという感じに見えます←意味が分からない(笑)。この形は、先手にちょっといい手があると後手即負けですが、私には発見できてません・・・。

実際のところ、どうなってるんでしょうね?


タグ:将棋

第69期名人戦第二局 [将棋]

既報の通り、森内九段の勝ち。

本局は、矢倉の出だし。先手の羽生名人が、早囲い模様を目指したものの、結局居玉のままいきなり中央から強襲。そ、そんなのありなの?

ただ、本局は、封じ手後の折衝で、少し羽生名人に誤算があったんじゃないかな。突っ張り合った展開だったこともあり、最後は差が開いてしまった。

次局は、ゴールデンウィークか。戦型は、第一局に続いて、横歩取り・・・かな?


タグ:将棋 名人戦

里見女流三冠奨励会一級編入試験を受験 [将棋]

ちょっと、驚きました。

里見さんは、あんまり奨励会とか興味ないのかな~と思っていたので。いずれ受けるとしても、三段リーグ編入試験とかを受けるようなイメージだったので、一級の試験を受けるとは思ってませんでした。

この試験内容だと、里見さんの実力から言って、まあ十中八九受かるでしょう。若さ故か、若干ムラがあるのが気にはなりますが、しかし、平均的にはすでに奨励会有段クラスではないかと思われます。

ところで、これまで、女流と奨励会は掛け持ちできないことになっていましたが、タイトル3つ返上というのは、いろいろと大人の事情が噴出するということで、特例で認める方向のようです。いろいろな意見が出る可能性はありますが、まあ、他の職業と奨励会を掛け持っていけないのか?・・・という観点で考えると、個人的には、この規制緩和の方向は悪いことではないようにも思います。

いずれにしても、将棋界は超弱肉強食。これまでの将棋連盟の行動パターンからすれば、強ければ、これくらいの掟破りは、むしろ当たり前(^_^;)

里見さんは、それくらいのスター棋士ということですね。なんだかんだ言って、将棋で勝てば良いわけですよ。前時代的ですが、ある意味わかりやすい・・・。

私も個人的に、里見さんは応援しています。もう、内心は、えこひいきしまくってます(笑)

今後の活躍に注目です。

タグ:将棋

第69期名人戦第1局(二日目) [将棋]

羽生名人に森内九段が挑戦している今期の名人戦第1局二日目。

再掲一日目指了図は、

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封じ手は、予想通り△C5ヒヨコから開戦。ただ、三浦九段は△A5ヒヨコを推していたらしい。そこから推測するに、ここでは、先手ペースなのかもしれない。対して、先手は▲F6ヒヨコ!・・・そんな悠長な。これは受けに相当な自信がないと無理。後手は、当然攻撃続行。

午前中は、局面が要所を迎え、指し手は進まない。昼休時の局面。

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ここまで、進んでみると、▲F6ヒヨコはかなり良い手に見えてくる。なるほどね。

その後、流れは一気に激しくなり、先手は成ゾウを取られている間に、キリンを成り込んで後手のイヌを取り、逆に攻勢に立った。左側にもニワトリを作って挟撃体制となり、大きな駒損ながら自玉は安全、攻めてる、切れない(たぶん)・・・という体勢に。

Fig_5.gif

結果は、森内九段がしっかりまとめきって勝ち。初戦をものにした。

本局は、最新型から、中盤に入って、森内九段が堂々とした勝負手を連発し、少しずつ先手ペースで推移。封じ手からの後手の攻めも相当だったけど、森内九段がうまく受け止めながら、途中でギアチェンジして反撃し、それが決まった。しかし、局後の感想では、先手も右側の駒がうまく捌けないので、難しいと感じていたとのこと。後手は、攻めが軽すぎたかもしれないということでした。

次局は、二週間後。今度は、森内九段が後手番ということで、戦型は、初手▲C6ヒヨコなら一手損ゾウ換わり、初手▲H6ヒヨコなら相掛かりもあるかもと予想。

本ブログの名人戦の観戦記は、基本的に主催新聞社(朝日・毎日)がサイトで無償公開している情報に基づいたものです。詳しい棋譜と解説は有料中継されています。その情報を使って記事を書くとまずいと思っているので、全く見ないで書いてます。序盤は、少ない情報でもある程度手順が推測できるのですが、中終盤は、はっきり言って全く分からないですね・・・。二日目は書くことがない(^_^;)

というわけで、みなさん、有料中継、見に行ってやってください。


タグ:将棋 名人戦

第69期名人戦第1局(一日目) [将棋]

羽生名人に森内九段が挑戦している今期の名人戦。永世名人有資格者同士の戦いが、いよいよ開幕。子供時代のアマチュア大会からプロの名人戦まで、これまで何度も戦ってきた両者が、40代に入って、また名人戦の桧舞台で対峙するというのは、すごいことだ。

両者とも居飛車系オールラウンダー。序盤から終盤までスキが無く、シンプルに強い。ただし、羽生名人はどちらかと言えば攻め気が強く、森内九段は受けに強さを発揮するタイプ。この両者だと、相掛かり、横歩取り、矢倉などが主流のシリーズになりそう。

本局は、振り駒の結果、先手は森内九段に。

戦型は、すらすらと横ヒヨコ取りB5キリンの最新型に。

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図の局面、E2ライオンの形が、最近現れた後手の工夫。従来は、F1ライオン型が常識だったけど、このところ、E2ライオン型が増加中。

この形では、先手は中住まいにして、端攻めを見せるのが定跡。端攻めを決行した例には、第23期竜王戦第1局がある。このときは、端攻めで先手良しの通説に反して、後手の羽生名人が受けて立ち、両者自信なしの難しい中盤の末、強引に突き破った渡辺竜王が勝った。本局は、それとは異なり、後手がH3ネコ型にして端攻めを防御し、ゾウ交換して互いに攻撃のチャンスをうかがう展開になった。

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図から、第二次の攻撃態勢準備をして、指了図。

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図の局面、▲G6ヒヨコが、先手のウサギやネコの進出経路を作りつつ、後手のウサギの頭を脅かす本筋の一手。このままでは、先手の攻撃力が非常に高くなってしまい、収拾がつかなくなるので、後手としては、忙しくなってきた感じだ。

封じ手予想は、△C5ヒヨコ。私なら何も考えず、ノータイムで反射的にそう指してしまうと思う。そもそも、他に動かす駒が難しいし、ここで、△C5ヒヨコがダメとなると、すでに形勢が少しまずい気がする。

敢えて他の手を探すとすれば、譲り合いの精神(?)で、△A5ヒヨコとか△F1ライオンとかかな。でも、△A5ヒヨコは先手ライオンに対する響きがいまいちな感じだし、△F1ライオンは危険地帯に近づいているかもしれないので、やっぱり抵抗がある。

というわけで、明日は朝から後手が先攻し、先手は受けながらカウンターを狙うという展開を予想。両者の棋風通りの将棋で、がっぷりだ。大きな初戦、果たしてどちらに軍配が上がるのか。


タグ:名人戦 将棋

ちょいワル王子 [将棋]

新クールのNHK将棋講座「山崎隆之のちょいワル逆転術」、見ました。

講師の山崎七段は、関西の実力者で、独創的な手順を好むことで有名。研究手ではなくて、実戦で思いついて指したくなった手を思わず指してしまうらしいです。いろいろな戦型で新手を出しているけど、私が一番印象的なのは、横歩取りの新山崎流▲4八銀。横歩取りではありえないと言われていた手が、実は成立することを見いだしたのは画期的。

アシスタントの鈴木真里さんは、全国級のアマ強豪。・・・ということしか知りませんm(_ _)m
身体の軸がほとんど移動しないのが印象的ですね。見ていて不思議な落ち着き感があります。

新年度、美男美女をそろえてきましたね。

さて、講座の内容ですが・・・。

最初の感想。・・・こんな講座やっていいんでしょうか?

すごく面白いんですけど(笑)

いきなり、出てくるテーマ図がすでに形勢不利っていうのが、まず斬新。そこから、勝負手で相手を迷わせてミスを誘って逆転しちゃおう!・・・というのが、講座のコンセプト。

定跡講座や手筋の講座、詰め将棋の講座などいろいろあったけど、こういう勝負術のような講座はありそうでなかった分野だと思う。

いい手を指して勝ちましょうではなくて、すでにいい手を指しても勝ち目が無くなっているところからスタートですからね。普通の講座が正規の剣道を教えてるとしたら、この講座は道ばたでのチャンバラを教えてるという感じだ。

でも、将棋を指している限り、形勢が悪くなってしまうことは当たり前にある。そこで、多少悪くなっても、相手が心理的に最善手を指しつづけにくいような展開にして、怪しくしていく技術というのは、現実問題として必要不可欠。いいとこに目を付けたものです。

今日のテーマ図は、私の記憶が正しければ、たぶんNHK杯の対羽生戦。確かに、△3九銀から絡んでいって、徐々におかしくなっていったのが印象的な将棋だった。

しかし、見ていて思ったけど、これ内容が盛りだくさんだ。山崎七段の実戦譜が題材で、最初に形勢判断(ちょいワル度として得点化)、自分と相手の主張点の違いなどを解説した後、逆転のためのとりあえずの目標を整理して、実戦の手順を並べて解説。結構、ついて行くのが大変かもしれない。でも、面白いから久しぶりにテキスト買おうかな?

途中の、ちょいワル王子の逆転ホームラン!・・・は、重要なポイントをおさらいするコーナーで、目ヂカラの頃から定番になってきた羞恥プレイ。カット割をうまく調整すればいいのに、何故かノーカットで撮るから、終わった後に変な間があく・・・。あれをうまくこなすのは、タレントでもそういないと思う。ただただ二人だけでコーナー名を叫んで、まとめきるのは至難の業でしょ。ましてや棋士では(以下略)

ここは、「~王子」・・・という若干流行遅れ気味のネーミングと合わせて、NHKらしさを漂わせるコーナーに仕上がっている。

講座の内容とは全然関係ないけど、今後、このコーナーが、どのように進化していくのか注目だ。

今週のテーマ図は、微差だったけど、予告では、来週は大差の局面らしい。楽しみだ。


タグ:将棋 テレビ

ゾウ換わり腰掛けネコ同型の旧型仕掛けG5同ヒヨコの変化(4) [将棋]

以前の検討の続き。

▲D8イヌ右に対して、△F7ヒヨコでどうか?・・・というコメントをいただいたので、考えていたのですが、思ったほど簡単に結論が出ませんね。そういうわけで、少し気長に検討することにしました(^_^;)

今回は、まず、課題局面の図面と、対する先手の候補手として検討しているものをリストにしておきます。

さて、課題局面はこれ。

F7_hiyoko.gif

今、後手から、△F7ヒヨコと垂らしたところです。放っておけば、ニワトリを作って攻めてくるので、先手としては、ニワトリを作られないように受けるか、ここで攻め合うかという局面です。

これに対して、▲E8イヌとニワトリ作りを防げば、△F6ウサギでどうか。

F7_hiyoko_E8_inu_1.gif

進行の一例は、▲F7イヌ、△G8ウサギ成、▲G6イヌ、△H9成ウサギ、▲F5イヌ(ほかの逃げ場は王手で取られるし、放置して攻めるのも難しい)、△E9キリンあたりでしょうか。

F7_hiyoko_E8_inu_2.gif

難しいところもありますが、この局面は後手良しでしょう。ライオンが入城すれば△B6ヒヨコがぴったり。合駒するようでは攻撃力が足りなくなる感じです。

そこで、先手としてはヒヨコを垂らされた瞬間に、攻め合いに行くのが本命でしょう。

まず、目につくのは、(i)▲C5ヒヨコです。

F7_hiyoko_C5_hiyoko.gif

後手が、ウサギの頭を守らなかったので、それを咎めに行く自然な発想です。これには、一転して△D3成ゾウとして局面を収めに行き、逆にC筋の先手のキズを狙いにいくような構想と、強く△F8ヒヨコ成と攻め合う構想が考えられます。どちらも一目は後手が危険に見えますが、正しく応接すればいきなり形勢が開くわけではないようです。ただし、△F8ヒヨコ成の場合は、一気に終盤になり、詰みまで研究するような展開になります。

次に、(ii)▲H4ヒヨコの突き捨てから攻める手が考えられます。

F7_hiyoko_H4_hiyoko.gif

△同ネコは、▲E5ゾウでイノシシ取りと▲F5ネコ打の両方を受けるのが難しく、先手良しでしょう。したがって、ここでは、△同ヒヨコの一手です。

この突き捨ては、攻撃という観点からは非常に有効ですが、歩を余計に渡すので、もう後には引けなくなります。どちらが先に倒れるかという戦いになります。

突き捨てた後は、いろいろ考えられますが、いまのところ、(ii-a)▲C5ヒヨコ、(ii-b)▲E5ゾウ、(ii-c)▲F5ネコ打の3つを中心に調べています。

(ii-a)▲C5ヒヨコ
F7_hiyoko_H4_hiyoko_C5_hiyoko.gif

これは、(i)に比べて突き捨てが入っている分だけ、先手の攻めが厳しいです。行きがかり上、強く△F8ヒヨコ成と攻め合ってどうかですが、少し後手の分が悪いかもしれません。ただし、落とし穴が非常に多いので、実戦的には先手も勝ちきるのは容易ではないようです。研究しているほうが勝ちます。

(ii-b)▲E5ゾウ
F7_hiyoko_H4_hiyoko_E5_zou.gif

これは、瞬間的に△F4ヒヨコと打てないことを咎めた手です。しかし、△F3ウサギや△D3ウサギとされると、ゾウがほとんど詰みなので、先手としては決断の一手です。そのときは、当然、▲G3ゾウ成とぶった切って先手の攻めが続くか後手が受けきるかの展開になります。一目は、先手の攻めが続きそうですが、受けに自信があればやってみる価値はあるかもしれません。また、▲E5ゾウと打たれた瞬間は、放っておくと、▲F5ネコ打や▲G4ヒヨコがあるため、後手としてもゆっくりできません。

(ii-c)▲F5ネコ打
F7_hiyoko_H4_hiyoko_F5_neko_utsu.gif

これは、ちょっとひねった手です。成ゾウが逃げて(たぶんF6が一番良い位置)、▲C5ヒヨコ、△F8ヒヨコ成から攻め合いになりますが、互いに攻めたり守ったり技を駆使する展開になりそうです。妙手・好手が潜んでいる気配が多いので、先後ともに研究しがいのある変化です。


それぞれの具体的な変化については、長くなりますので、時間のあるときに、また別のエントリで書くことにします。少々、お待ちください。

白状すると、第一感、(i)▲C5ヒヨコもしくは、(ii-a)▲H4ヒヨコ、△同ヒヨコ、▲C5ヒヨコで簡単に先手が良くなるだろうと思っていました。しかし、調べてみると先手も相当準備してしっかりと指さないと大変だということが分かってきて、非常に勉強になりました。(ii-b)や(ii-c)のようなあまり自然でない手まで考え出したのは、そのためです。将棋というのは難しいものです。


ゾウ換わり腰掛けネコ同型の旧型仕掛けG5同ヒヨコの変化(3) [将棋]

コメント欄だけでやっていましたが、▲F4ヒヨコに対しては、△F5ヒヨコが良さそうだというのは、この局面です。

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今のところ先手に思わしい手段は見つかっていません。まさか、▲F3ネコ、△同イヌ右、▲同ヒヨコ成、△同イヌ、▲H3イヌ・・・で、攻めきれることはないでしょうし、ゆっくりしていると、後手にばかり指したい手があるので先手難局に見えます。

ところで、水琴が前にもう一度再検討してみたいと考えていた局面は、実は、ここです。

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先のエントリでは、いかにも安直に受けに行って▲E6ゾウで後手参ったという変化でしたけど、当然、ここで攻め合いを考えることはできます。

たとえば、△G8ゾウ

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や、△B6ヒヨコ

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です。

研究しているときは、どちらも結構有力ではないかと思っているのですが、ただ、実際に指すと、なぜかあんまり勝率がよくないです(>_<)・・・というわけで、自信を持っておすすめできる変化ではないので、黙っていようか(笑)と思ったのですが、多くの人で検討すれば○にせよ×にせよ結論が出るかもしれませんので、素材のままオープンにすることにしました。


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