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ゾウ換わり腰掛けネコ同型の旧型仕掛けG5同ヒヨコの変化(2) [将棋]

一つ前の記事の続き。

まずは、基本図。

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ここから、▲D8イヌ右の変化。こちらのほうが、先手としては本命かもしれません。対しては、結局、ウサギの頭を守るために△D3成ゾウとするのが普通でしょう。

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そこで、▲I5ヒヨコ、△同ヒヨコ、▲H4ヒヨコ、△同ヒヨコ、▲F5ゾウが気になります。

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これは、放置すると、▲D3ゾウ成、△同イヌ、▲I2ヒヨコ、△同イノシシ、▲F5ゾウで終了です。また、成ゾウのほうを受けても▲I2ヒヨコからイノシシを取られそうですし、形よくイノシシを守るのも難しそうです。形を乱されたり、持ち駒のウサギを使わされたあげくに成ゾウを消されては、後手が面白くない感じです。△H2ライオンで受けに行くのも戦場に近づいて危険です。そういうわけで、△同F5成ゾウ、▲同ネコ、△D3ゾウもしくは△H3ゾウくらいかもしれませんが、いずれも▲E6ゾウで、後手自信なしだと思います。

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以下、C筋とG筋を同時に受けるのが難しいでしょう。

以上から、ゾウ換わり腰掛けネコ先後同型の旧型の仕掛け▲F5ヒヨコ、△同ヒヨコ、▲G5ヒヨコ

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に対して、△同ヒヨコは指しにくいというのが水琴の現在の見解です。

では、△F4ネコの一手なのかというと、そうでもありません。この瞬間は少し甘いので、△D5ヒヨコの渡辺流の反撃などは有力です。ほかにも、色々と手段は考えられそうな気もしていて、あ~でもない、こ~でもないと考えたりしています。

・・・ちなみに、G筋の突き捨てがないと、どれくらい景色が変化するのか、図を出しておきます。

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これだと、ここまで書いたような筋は一切通用しません。先手はネコ・ウサギ交換の駒得ながら、後手も成ゾウが手厚く一ヒヨコ得ですし、仕掛けた割にうまく行っていない感じです。また、後手は、△A5ヒヨコ、▲同ヒヨコ、△A7ヒヨコ、▲同イノシシ、△A6ヒヨコ、▲同イノシシ、△B4ウサギという攻め筋を権利として持っており、微差ながら後手を持ってみたい感じです。

従って、繰り返しになりますが、先手が仕掛けるときにG筋の突き捨てを入れないといけないというのは、こういうような背景があるためです。

以上、居飛車党もとい居キリン党(笑)のロマンの一端をご紹介しました。


ゾウ換わり腰掛けネコ同型の旧型仕掛けG5同ヒヨコの変化(1) [将棋]

このところ、コメント欄だけで是空さんとやりとりしている内容に関係して、水琴が少し検討したことを含めて備忘録的にまとめておきます。たぶん、何の話をしているのか、私と是空さんしか分かってないでしょうし。・・・まあ、ほかには、誰も興味ないかもしれませんけど(^_^;)

今回は、どうぶつ将棋盤でお送りします(^^)

できるだけ、この戦型に詳しくない方にも分かってもらえるように努力しますので、よろしくお願いします。

まずは、そもそもの基本形から。ご存じの通り、後手8四歩問題もといB4ヒヨコ問題の重要局面でもあります。

ゾウ換わり腰掛けネコ先後同型の局面です。

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ここから、▲F5ヒヨコ、△同ヒヨコ、▲G5ヒヨコと仕掛けます。最近は、H筋、I筋、C筋を突き捨ててから、▲G5ヒヨコとするのが流行していますが、その前まではこうでした。この変化の原因は渡辺竜王にありますが、それは、今回は詳しくは説明しません。長くなりすぎるので。

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ここで、教科書的には△F4ネコとしなさいとなっていますが、本当に△同ヒヨコと取ってはいけないのか?・・・というのが、お話の始まりです。まずは、そこから解説しましょう。突かれたヒヨコ、取って良いなら、取りたいところですよね。

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ここで、先手は、▲F5ウサギと来ます。

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ここで、普通の将棋の本や一般的な解説などでは、△F4ネコとかわすと、▲H4ヒヨコ、△同ヒヨコ、▲同キリンで、ネコ取りになるので、よくありませんというふうに説明して終わりのことが多いです。実際、こうなっては、後手がまずいです。

しかし、△F4ネコの一手ではありません。当然、△同F5ネコとウサギを取る手が有力です。勢い、▲同ネコ、△G7ゾウとなります。

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そして、▲H9キリン、△F6ゾウ成、▲E6ネコ、△G6成ゾウと進みます。これを一つの基本図とします。

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ちなみに、もし、先手が▲G5ヒヨコの突き捨てを入れていないと、同じ変化の時に後手のヒヨコがG4のままで、ぱくっと成ゾウでG6のヒヨコを取られていることになります。これは、痛すぎますから、先手は仕掛けの時に必ずG筋の突き捨てを入れる必要があるのです。このあたりは、たぶんアマ高段者でもちゃんと分かってない人もいるんじゃないかというくらい、非常にマニアックなところです。

さて、ここでは、▲F7イヌと力強く上がる手と、▲D8イヌ右と固める手が考えられます。

まずは、▲F7イヌの変化を調べてみましょう。▲F7イヌには、△D3成ゾウと引きます。この位置に引くのは、先手が一ヒヨコ持っているので、▲C5ヒヨコ、△同ヒヨコ、▲C4ヒヨコの攻めを防ぐためです。

さて、ここで手番の先手がどう攻めるかというところが問題です。

まず、▲I5ヒヨコ、△同ヒヨコ、▲H4ヒヨコ、△同ヒヨコと二つ突き捨てを入れます。

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そこで、(i)単に▲F6イヌとするのは、どうでしょうか。

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しかし、△G6ヒヨコ、▲F5ネコ、△G7ヒヨコ成となると、後手が有望そうです。

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ここでは、▲E6ゾウと言う手がぴったりに見えますが、△G6ニワトリがいい切り返しで、取ると△F4ウサギを食らってしまいます。両取りをかけられた後も、いろいろと暴れる変化はありますが、少しずつ後手が厚いように思います。また、▲D7ゾウと控えて打つと、今度は、△F7ニワトリが激痛で、やはり後手が厚いように思います。

ではということで、(ii)▲F4ヒヨコと垂らすのはどうでしょうか。これは、放置すれば、▲F3ネコの打ち込みが厳しいです。仮に、△F2ヒヨコと受けると、そこで、▲F6イヌで先手良さそうです。

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今度は、先ほどの展開の時に△F4ウサギが打てないという違いがあります。

また、▲F4ヒヨコには、辛抱して、△同ネコと取る手もあるかもしれません。こちらは難解ですが、▲H4キリンがネコ取りになるので、相当に準備していないと指しにくい順だと思います。しかし、調べれば後手有望の変化が出てくる可能性は無きにしもあらずかなと思います。

長くなったので、基本図から▲D8イヌ右の変化については、次のエントリで書きます。


第36期棋王戦第四局 [将棋]

渡辺竜王が久保棋王に挑戦している今期の棋王戦第四局。久保棋王は、すでに王将戦の防衛を決めている。この棋王戦も防衛に王手がかかっている。

詳細は、中継ページをご覧ください。

本局は久保棋王が後手番ということで、ゴキゲン中飛車。対する渡辺竜王の対策は、超速。

久保棋王は、王将戦第五局に引き続き、3二金型の構え。

25手目で▲5五歩とふたをすると、王将戦第五局のような飛車銀交換の戦いになるけど、本局は、▲6六銀という比較的珍しい手。何かしらの用意がある気配。

そして・・・、31手目▲7七角。これが、「やってみたかった手」かな。

そして、右銀を4五→3四と活用。超速では、この筋は、潜在的にはあるんだけど、適切に対応されるとうまくいかないことが多いので、滅多に見かけない。でも、今回は、うまくいっているようだ。振り飛車が△2二銀としてくれるなら、居飛車としては不満はない。

そこから、お互い陣形を整備。このように仕掛けて一段落してから陣形整備するのは現代風。

しかし、そこで驚愕の一手が・・・。41手目▲5七銀!

両取りかけられるものならかけてらっしゃい・・・ということですか。囲いが完成していない一瞬のスキをついた挑発。あからさまにやって来いと言われると、怖い。

久保棋王は自重。

しかし、ここから先手陣が躍動してくる。50手目△2一歩の昼食休憩の局面では、プロ的には先手必勝ではないかと思うくらい成果が上がっているように見える。

54手目△5三飛は、この一手。これ以外は、すぐつぶれる。

水琴は、ここで、▲2八飛といったん引き上げると思ったんだけど、渡辺竜王は一直線に▲2二歩成!

60手目△2二金~△5一飛は、細かな受け。こうしてみると、意外に簡単ではないか。

64手目△5一同角の局面。ここで、先手に明快な攻めがないと、一直線に攻め込んだのがどうだったのかという話になる。一目は、▲4一飛、△4二角、▲3五香もしくは▲4五桂でどうか。△5二銀からの三枚替え+馬なら、さすがに先手が良いか。後手陣も薄いし。△6五桂には、躱しておいて、後手が忙しい。

本譜は、単に▲4五桂だった。このほうが格調は高い感じだけど、あとで△9五角と出る余地を残すのでどうかな。

しかし、ここから大決戦。先手は角を見捨てて攻め合い。激しい。

70手目△9五角は待望。しかし、▲8六桂が攻防で難しい終盤戦だ。

75手目▲5二銀は、水琴は一目だったけど、控え室は誰も予想していなかったらしい。これまでの経験上、そういう場合は、その手が悪手で、指した方が負けるってことが多いんだけど・・・(笑)

しかし、81手目▲6二成銀のところでは、急転直下先手優勢とか。ほっ。良かった良かった。

92手目△9五桂は、詰めろではないようだ。ここで、うまく詰めろをかければ先手勝ちか。とはいえ、あんまり簡単そうでもない。やや先手に部がありそうだけど、かなり難解な終盤戦。

101手目▲7二竜は、錯覚かも。▲6三竜から行けば難解な終盤が続いた。

106手目△7六玉が詰めろ逃れの詰めろで、後手勝ち。

急転直下で、久保棋王の防衛決定!ダブル防衛おめでとうございます。

本局は、序盤の勝負手が功を奏して先手優勢に。その後、後手が粘って、先手がやや良しながら難解な中終盤に。最後、先手が寄せ間違えたため、いきなり後手勝勢になった。

最近の久保棋王は劣勢になっても決め手を与えない粘り方が本当にすごい。昼食休憩の局面で、後手に勝ち目があると誰が思ったでしょうか。あそこから最善を尽くしつづける精神力には脱帽です。

結果的に先手負けたけど、31手目▲7七角と、41手目▲5七銀は面白い作戦だと思った。機会があれば試してみたい。


タグ:将棋 棋王戦

第60期王将戦第六局(二日目) [将棋]

久保王将に豊島六段が挑戦している今季王将戦第六局の二日目。

詳細は中継ページをご覧ください。

封じ手は、△5五歩。大人なほうの候補手が当たり。まあ、そうだよね。

対して、▲6六飛!・・・つ、強気だ。

しかし、45手目▲9八銀と打たされたのは痛いような。47手目で、ようやく▲4五歩。う~ん、ここで突くなら、封じ手直後に突いておいた方が得だったような気もする。この一連の交換が先手にとって得だったのかな。どうだったんでしょう。

とはいえ、飛車交換になれば、とりあえずの危機は脱出。

53手目▲6八金は何気ない手だけど、大事なところ。振り飛車党ならば覚えておきたい一手。

65手目▲5八金寄となった局面では、意外に後手の攻めが難しい。△4七歩成から、△6七銀成として、△5七歩から、と金づくり・・・くらいか。しかし、そういう手だと▲4四桂のほうがきついので、ここで、いったん自陣に手を入れておくのかな。

・・・と、思ったら、△6七銀成!若いっ!勝てば光速の寄せ、負ければ敗着という決断の一手。銀を渡すと▲4四銀(69手目)という手が生じるのがいやらしい。

ここから、細い攻めを懸命につなぐ豊島六段。しかし、久保王将の受けが頑強で、どうも切れ模様。

84手目△4二金寄としなければならないようでは、先手良しがはっきりしてきた。

85手目▲6六角は、アーティストっぽい。

99手目▲3一竜から、おなじみの美濃崩しで、先手勝ち。

・・・というわけで、通算4-2で久保王将の防衛となりました。

本局は、△8四飛が面白い構想で、後手が面白そうな展開に。しかし、久保王将が粘っているうちに、いつのまにか形勢が接近。△6七銀成は、何か誤算があったかもしれない。そこからは、先手が少しずつ指しやすくなり、最後は教科書通りの攻めが決まって先手快勝。

豊島六段の感想に、中盤のよく分からないところで差をつけられたというのがあったけど、確かにそういうことが多かった気がする。序盤は豊島六段が面白そうなことが多いのに、いつのまにかクリンチされて、逆転されるという将棋が目立った。本局もそんな感じ。

今期王将戦は、久保王将がタイトルホルダーの貫禄を示したシリーズだったと総括できるでしょう。豊島六段は発想豊かな序盤研究と、切れ味鋭い指し回しで魅せたけど、久保王将のふところの深さに飲み込まれてしまった感じだった。

なかなか大変な時期ですが、良い将棋を指し、それを中継し、またそれを支えた多くの方々に敬意を表します。


タグ:将棋 王将戦

第60期王将戦第六局(一日目) [将棋]

久保王将に豊島六段が挑戦している今期王将戦の第六局。歴史ある陣屋での決戦。

しかし、将棋界は、業務強行しますね。

うちなどは、停電中も紙と鉛筆でできる範囲で研究するぞという覚悟で出勤していったら、停電対策に機器類を止めたら、さっさと帰宅せよという指示でした。拍子抜けだったけど、まあそんなものか。

話を戻して、陣屋は、輪番停電第Vグループ。場合によると封じ手当たりが中継できなくなる可能性もあるのか。

・・・どうせ、うちも第Vグループだから、個人的には問題なし?

どうなったでしょうか。詳細は中継ページをご覧ください。

本局は、久保王将の先手と言うことで、予想通り石田流に。豊島六段の対策は、本組に組ませて左美濃で対抗する形を選択。

第四局とは異なり、先手の左金は5八へ。第四局は、結果的に先手が勝ったものの後手の機敏な動きによって序盤は少し苦労させられた感じだったのを踏まえたものでしょうか。

31手目▲6五歩と開戦。こういうところでは、だいたい早めに仕掛けていくのが最近の流行。石田流は、じっくりしていると、どうしても手詰まりになってくる。陣屋事件で有名な升田八段は、その鬼才を発揮して角をとんでもないところに打ったりして局面を打開していたけど、現在はそういう工夫をしなければならないという局面に追い込まれるのをそもそも嫌うという感じだ。そういうわけで、そうなる前に、とにかく乱戦にして捌きに行くというのが最近の考え方。

対する△8四飛が、ちょっとした工夫。これで捌きが抑えられるならば、6二飛型よりも味がよい。

36手目△6四銀が、後手の狙い筋。銀交換を果たして、38手目△6四同飛となった形は後手が軽い形だ。

先手は、じっと▲6七歩と辛抱。ここで、封じ手。

この局面はかなり手が広い。

激しく行くなら、角交換から△7八角も考えられる。ただ、飛車交換の後、攻撃側の桂馬の位置の差が気になるか。

△5五歩が大人な感じか。対しては▲4五歩、△3五歩みたいな展開になりそうか。

形勢はバランスが取れているように見えます。

今日は、結果的に陣屋も柏も停電なし。こちらは完全に停電対応モードで、早めに食事を取り、第Vグループの予告時間帯には電気機器をすべて落として毛布にくるまって寝ていました。

時間帯があけて目が覚めたら、停電はなかったということでした。こちらも拍子抜け。まあ、停電せずにすんだというのは良いことです。

さて、明日はどうなるのでしょうか。


タグ:王将戦 将棋

巨大地震 [将棋]

今日は、東北地方の太平洋側を震源とする巨大地震が発生しました。マグニチュードは8.8ということで、観測史上最大の規模となりました。阪神・淡路が7.3なので、今回の地震のエネルギーは、その約180倍ということになります。

柏は、震度五強(一時、六弱という速報も)でした。大きな揺れが長く続き、職場の本棚からは、かなりの本や書類が落下しましたが、目立った損害はなく、幸いでした。

最初は、それほど揺れは強くなく、ただ揺れの長さが、非常に長かった。「ああ、テレビで見ていた大型地震のVTRにそっくりだなあ」などと、思っていたら、強い揺れが来て思わず机の下へ。めったにそういうことはないけど、今回は瞬間的にはかなり恐怖感がありました。

そのときは、震源はどこか関東沿岸ないしは首都圏だとばかり思っていました。立川断層か、東京湾のアスペリティか、あるいは房総沖や茨城沖のプレート沈み込み帯のところか。

しかし、情報が入ってきてびっくり。震源は東北!このあいだ、揺れたあたりか。あそこが震源で、ここがこの揺れとは、震央付近で起こっていることの想像がつかない。

さらには、津波の高さが驚異的だった。為す術のない規模だ。太平洋沿岸は壊滅的な打撃を受けた。あるいは、受けつつある。最大の津波は第一波とは限らないという。

下総台地は、周囲と比べて標高が高いので、津波については安心・・・というか、ここがやられるくらいなら関東は壊滅。

とはいえ、現在も、柏でも数え切れないくらいの余震を感じています。緊急地震速報は、でたりでなかったり。探知できるものとできないものがあるようだ。

本震も探知できなかったようだし。今回は、広範囲の断層面が大きく変位したらしく、波形が少し特殊なようだ。評価が難しい地震だったのだろう。気象庁マグニチュードも変更になったぐらいだし。

そして、誘発されたのか、茨城沖でも大きな地震が発生。現在、宮城沖~茨城沖の幅広い範囲を震央とする余震が続いている。

頼むから、東海・東南海まで波及しないでほしい。今そんなことになったら、日本が壊滅してしまう。

都内は多数の帰宅困難者が出ているみたい。知り合いも何人か都内で途方に暮れているらしい。とはいえ、助けにも行けない。ただ、メールで励ますのみ。

地下鉄は少しずつ復旧し始めているらしい。地下の方が、地上に比べて周囲を拘束されているので、相対的に壊れにくい。地震時は地下の方がむしろ安全とも言われている。

しばらくは、大きな余震がくる可能性もあるので、警戒を怠らないようにしたいものです。


タグ:地学 時事 地震
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女流新棋戦創設! [将棋]

女流棋界に新棋戦創設のニュース[ぴかぴか(新しい)]

女流王座戦。名前は、オーソドックスだ。「藤花」的な華やかさはないけど、意味はわかりやすい(^^)

リコー。・・・コピー機とプリンタのイメージですね。もちろん、仕事の関係上、お得意様になっております(笑)もう、日々酷使しまくってますので。

それは、さておき。

この棋戦は、幅広く参加の機会が開かれているのが特徴みたい。女性奨励会員が参加可というのは、新鮮だ。現在は、二級に二人か。奨励会二級ならば、出場すればベスト16(本戦トーナメント)以上はいけそう。

あと、賞金も女流棋界最高額。・・・とはいえ、500か。トッププロに対する賞金としては、なかなか厳しいものがありますね。知名度の高いジャンルではないので、仕方ないことだけど。

ともかく、これで、女流棋界のタイトルは六個になりましたね。それはすばらしいこと。

現在、女流棋界は、里見三冠・甲斐二冠。初代王座は、誰になるのでしょうか。


タグ:将棋
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第60期王将戦第五局(二日目) [将棋]

久保王将に豊島六段が挑戦している今期の王将戦第五局の二日目。一日目は、ゴキゲン中飛車対超速銀の最新型から、豊島六段が研究手を披露。久保王将も目一杯突っ張った順を選び、のっぴきならない局面になったところで、封じ手。

二日目は、どうなったでしょうか。

詳細は、中継ページをご覧ください。

封じ手は、△6四角。ふむふむ。▲2四歩、やってらっしゃいよということですね。怖くないですよ・・・と。

先手は、当然▲2四歩。後手は、大丈夫なのか?どういう対策を用意しているのだろう。と、思っていたら、44手目△5一香。

これは、思いつきにくい。指されても、良い手なのかどうか判別がつかないくらい。とりあえず、行きがかり上、▲同飛成かなあ。それで先手が悪いとは思えないけど。

長考の末、豊島六段も決断。

しばらく、ほぼ必然と思われる応酬が続く。54手目△4六飛は、なるほどという手。縦にも横にもよく利いている。目につく▲4八香は、△7六飛、▲7七角、△4四歩、▲同香、△4二歩くらいでも面白くないか。43手目▲同飛成で、軽く先手優勢になるのかと思っていたけど、ここまで進んでみると意外と難しかったみたい。ここは、もう一度長考かと思ったら、素早く▲5九金右。

対して後手は、△6一金。いつかは寄りたいと思っていたけど、ここで寄るのか。普通は△7六飛を先にしそうだけど。▲6六角は成立しないという読みですか。それならば、ここで寄った方が味がよい。

そこで、先手は57手目▲7七角!・・・これは渋い。

次こそ、▲4八香があるので、後手の△7六飛は当然。続いて▲6六香と△4二角の交換は、先手が得をしたか。61手目▲5五桂が絶品。先手が抜け出したようだ。

68手目△5一金は、すさまじい辛抱。さっき、△6一金と寄った手を否定することになるから、非常に指しにくい。普通では悔しくて指せない。

しかし、78手目△5三金まで進んでは、やはり苦しい。一目、▲5四歩とたたいてみたいかな。と見ていたら、本譜は▲3二飛。しかし、これは見た目ほど良くなかったらしい。感想戦では、▲3三歩とすべきだったとのこと。確かに。▲3三歩なら後手は完全にしびれていたか。取れば、▲3一飛で投了級。かといって、次の▲3二歩成を受ける適当な手段がない。

とはいえ、本譜も快調。しかし、82手目△4三銀が根性の入った粘り。どこから、こんな手が(笑)

対する▲2二飛成が、どうだったか。角を取っておいた方が良かったと思う。

90手目△5五桂で、雲行きが怪しくなってきた。まだ厳密には、先手よしだろうけど、かなり差が詰まってきた感じだ。

えっ!91手目は▲4一竜?一目細い。これで決まれば光速の寄せだけど・・・。

案の定、後手玉の寄りは見えない。まずい。きわめて難解な終盤になってきた。111手目▲6八香まで、ねじり合いの様相を呈してきた。さっきまで、一直線に斬り合うかに見えたけど、もう一回入り口からやりなおしだ。

114手目から、桂香の切り貼りを繰り返して、123手目▲8六歩で、難解ながら先手が抜け出したか。ここまでの一連の後手の攻めに、少し誤算や手順前後があったかもしれない。

最後は、136手目▲7六玉~141手目▲9八玉と安全地帯に逃げ込んで、先手が何手も勝っている。

というわけで、本局は豊島六段の勝ち。

序盤、新手を披露した豊島六段が若干ペースをつかんだかに見えたけど、△4六飛が好手で、むしろ後手が有望に。結果的には、直前の飛香交換が過激すぎたようだ。しかし、△4二角が悪手で、形勢は再び先手に傾き、先手が優勢~一時勝勢に。ところが、久保王将の強靱な粘りに絡め取られて、決め手を逃し、次第に形勢が接近。終盤は、どちらが勝ってもおかしくない大熱戦になった。最後、久保王将が先手玉に迫るも仕留めることはできず、豊島六段の勝ち筋になった。

豊島六段は角番をしのいで、次は陣屋。数々の名勝負が繰り広げられてきた地で、勝利の女神はどちらにほほえむのか。


タグ:将棋 王将戦

第60期王将戦第五局(一日目) [将棋]

更新遅くなりました。おまけにアルコールが入っていて、とてもまともに棋譜の検討をできる状況ではありません(笑)。送別会の季節なので・・・。

まあ、もともとそんなにまじめに検討しているわけではなく、ほとんど思いつきだけで書いているという噂もありますが(笑)。

さて、気を取り直して、できる範囲で参りましょう。一日目だしね。

久保王将に豊島六段が挑戦している今季王将戦の第五局。ここまで、久保王将から見て3-1と防衛に王手。久保王将は、中一日でタイトル戦という激務。A級順位戦最終日からこのかた、非常にハードワークだ。とはいえ、日曜日は勝ったので、気分は晴れやかでしょう。

詳細は中継ページをご覧ください。

本局は、久保王将の後手番ということで、大方の予想通り、ゴキゲン中飛車。

対する、豊島六段の対策は、みたび超速。定跡本を出しているだけあって、信頼している戦型なんですね。

20手目、久保王将は、3二金型を選んだ。最近3二銀型が多いイメージがあったけど、今回はこの形でということですね。

22手目△5六歩は、早めの仕掛けだけど定跡手順。放っておくと、5五の歩が、位と言うよりは負担になってしまう。それくらいなら、さっさと放棄した方が良いという現代風の指し方。この考え方こそが、ゴキゲンの根幹をなしているもので、単なる五筋位取り中飛車を超えた発想を内包している。

29手目は、分岐点。▲2七飛打が決定版ではないかと言われていた時期もあったけど、最近は、単に▲1八飛と逃げるのが注目されている。本局はノータイムで、▲1八飛。豊島本に書いてある通り。一見すると、2七銀と打たれてダメっぽいけど、遊び銀を打ってくれるなら歓迎という考え方。

とはいえ、30手目△2七銀か△2八銀は分岐点。本局は、△2八銀。一瞬先手の飛車の働きが非常に悪くなる&次に先手で桂馬か香車が取れるというのがポイント。

31手目▲4六歩。豊島六段の研究手。5五の角が威張りすぎているので、位置をずらし、また大駒は近づけて受けるの格言通り。

36手目△3五同歩は、王者の手。これで取って問題ないなら、すばらしい大局観だ。

もちろん先手は、▲2六飛。好感触だ。これを見落とすはずはないので、しばらく進むと久保王将の対策が明らかになってくるんでしょうね。

40手目を久保王将が封じて一日目終了。そろそろ、36手目で考慮した対策が飛び出すところか。

素人目には、△3六歩が目についてしまう(▲5三飛成には、△3五角。▲同飛なら、△6八角成、▲同金、△4七銀。放置なら、△2九成銀、▲同飛、△3七歩成など)。けど、両取りに目がくらみすぎか。プロ的には、いったん△6四角が冷静っぽいのかな。飛車と銀香の二枚替えを果たしているので、焦る必要はない。2九の桂馬も質だしね。飛車も手放してもらってるし、先手が歩切れという状況で、香車を手持ちにしているのも非常に大きい。局面を落ち着かせるのが、自然な発想かな。あれ、でも▲2四歩が、結構うるさいかも?

う~ん。じゃ、▲2四歩を防ぐ意味でも△3六歩なのかな。気乗りはしないけど仕方ないのかな?

いや~、考えれば考えるほど、難しいね。当然ながら、まだまだ豊島六段が研究対象としている範囲の局面なわけで、そう簡単に後手がよくなる順が見あたらないのは当たり前と言えば、当たり前。

形勢は、互角と見ます。仮に△3六歩くらいだと、互角~やや先手有望そうですが、おそらく久保王将も36手目の時点で何か用意してこの局面に誘導したと思うので、その辺を加味して互角という形成判断。

いずれにしても双方かなり突っ張っているので、二日目は、午前中から、のっぴきならない展開でしょう。午前中で形勢が傾く可能性もある。


タグ:将棋 王将戦

第36期棋王戦第三局 [将棋]

久保棋王に渡辺竜王が挑戦している今期の棋王戦第三局。一勝一敗で迎えた本局に勝った方が防衛/奪取に王手をかける。

対局地は柏崎か~。関係ないけど、柏崎は原子力発電所に見学に行ったことがあります。

さて、本局は久保棋王の先手ということで、戦型予想は石田流としていましたが、どうなったでしょうか。

詳細は、中継ページをご覧ください。

初手▲7六歩に、後手△8四歩。おっと、これは中飛車になるね。第一局で石田流に破れている渡辺竜王が、ちょっと待て、もう一回勝負だっ・・・と、三間飛車研究をぶつけてくるかと予想していたけどね。将棋世界四月号にも出ていたけど、先手中飛車は最近非常に勝率が高い。そこをあえて中飛車に誘導したということなので、それなりの準備があるということなのでしょう。楽しみだ。

まずは、無難な序盤戦。後手は、あからさまに持久戦模様。先手は、それに対してどうするか。こちらも固めるか、美濃囲いから早めに中央でポイントを稼ぎに行くか。

17手目▲1六歩。早めに端に手をかけた・・・ということは、先手は美濃かな・・・と思ったら、21手目▲1八香!確かに端を突き越した形で相穴熊なら、突き越してる方が断然有利。居飛車側が急戦を警戒して上部を手厚くするのに手数をかけている隙に、こちらは端に手をかけておく勘定なので、それなら端の方が価値が高いでしょうという主張か。なるほど、なるほど。

・・・ということで、28手目△3二銀と、後手は銀冠指向。5三銀、4三金と上部を手厚くした手を生かし、場合によっては、端の逆襲を狙うということで、これも一理あり。高度な序盤の駆け引きだ。

先手は銀冠に上部の手厚さで負けないように銀冠穴熊に組み替え。しかし、これは、さすがに欲張りすぎだったようだ。

40手目△7五歩と仕掛けられて、応接が難しい。44手目▲3七桂は、代償を玉頭に求める構想かな。でも、穴熊の守備の桂馬をはねて幸せになれることは滅多にない。早くも勝負手。

51手目▲7八金を見届けて、52手目△1二香が秀逸。先手は、すでに固さ負けしているので仕掛けづらい・金が離れていて固めようがない・後手は二歩手持ちで攻めにも困らないということで、先手は明らかに作戦負け。そこで悠々穴熊に囲って、さらに優位を拡大しようという・・・。

59手目▲3八金は、悔しくて普通指せないけど、指されてみると、なるほどの一手。これは、かなり価値が高い。さらに65手目▲3六歩・・・と、辛抱が続く。角換わりとか、矢倉とかではこういうの見かけることあるけどね。相穴熊で、こういうのは初めて見た。・・・って、すでに先手は穴熊と言っていいのかどうか?

66手目△5一角は、あらかじめ当たりを避け、右辺へ転換して攻撃に活用する好手・・・と指されたときには思ったんだけど、感想戦では、ダメ出しされていた(^_^;)・・・これでは、おとなしすぎるらしい。そうかなあ?水琴にはわからぬ世界だ。むしろ、68手目△7五歩が、凝りすぎだったのでは?素直に△8四角▲4七飛△7三角といった感じで進めておいて、どうだったか。あるいは、△3三角とぶつけても先手がまとめきるのは難しそうに見えたけどね。

75手目▲4五同飛まで、先手の飛車が捌けて、怪しいムード。76手目△3四銀と打たざるを得ないとすれば、形勢は、微妙。後手は、大駒の働きがいまいち。頼みは玉の固さのみ・・・だが、これは持ち時間が短いことを考慮すると実戦的にはかなり大きいので、非常に難解。

90手代に入ってきて、いつのまにか、先手の攻めを後手が切らせるかどうか?・・・という将棋になっている。穴熊が勝つには、固い・攻めてる・切れないというパターンだけど、本局は、固いしか主張点がない。ただ、先手玉があまりにもぺらぺらなので、まだまだバランスは保たれているか。

100手目△5七歩は、陣形の差を生かした手。普通なら、絶対に間に合わないけど。一直線のと金によるはがし合いは穴熊有利。・・・というわけで、103手目▲3四歩で、味付け。

109手目▲3二金と打った形は、△3一歩と受けられたときに、食いついているのか切れているのか微妙だ。この瞬間攻め駒が2枚しかない。5五角が実現したとして、ようやく三枚だ。しかし、すぐに▲5五角は、△4七飛成で先手玉が相当危ない。

実戦も△3一歩。ここから、110手目△2二金まで進み、やはり微妙だ。個人的には、後手有望に見えたけど、控え室および対局者は悲観的だったようだ。駒損が大きいからだろう。とはいえ、と金と銀の交換と思えば、そこまでの駒損なのか?・・・と思ったけどね。

121手目▲4四銀は、激しい。替えて▲6六歩のほうが、安全な意味はあったと思う。駒得を生かすなら少しゆっくりしたほうがいいので。▲4五歩との関連性から言うと、▲6六歩のほうが自然という気もした。

ここから、また、先手の攻めが切れるかどうかという展開になった。

129手目▲4四金!・・・一目重いけど(実際、感想戦でも「ひどかった」ということでしたね)。△5六飛で、どうするんだろう?

え、でも▲6七金が利くのかあ。ここで、この金が働けると。△4八とは無理だと。じゃあ、先手優勢なのかも。むしろ、▲4四金かまさなければ、かなり優勢だったの?気づかなかった。

147手目、▲7五歩は手筋。痛い。・・・が、ここは目をつぶって角の筋を残さないとでしょう。もし、ターンが回れば、△3九金が早い。

151手目△6三銀は、優勢を意識して安全運転か。

153手目▲6六金として、この金が働いてくると後手としては悲しい。形勢の差は、そこまでではないかもしれないけど、精神が折れるね。これは。

しかし、ここから、秘術を尽くした応酬が続く。154手目△5七金!に、▲同飛!、△6六角!、▲5八飛!・・・もう何が何だかわからない。形勢が二転三転してもおかしくないやりとりだ。

しかし、158手目△5七歩は、個人的には賛成しかねる。角を取っておいた方が良かったのでは?5五飛は一瞬働きが悪そうだし、先手玉は、今となっては飛車よりも角に弱そうな感じだし、何より、後手玉が角筋に弱すぎるし。急所の角をいったん外しておきたいと思って見ていた。ただ、それで後手優勢というわけでもないとは思うけど。

163手目▲5五角打で、ゴールが見えてきた。先手勝勢だ。

以下、10手ほどで先手勝ち。最後も華麗に仕留めた。

本局は、序盤の駆け引きの結果、欲張りすぎた久保棋王が苦しくなった。しかし、渡辺竜王は必要以上に形勢を悲観していて、穴熊らしからぬ技巧的な指し回しに走り、その結果形勢は混沌。中終盤はずっと難解だったけど、先手の左金が働き出して、先手が優勢であることがはっきりしてきた。その後、壮絶な斬り合いを抜け出して先手が勝勢に。最後は、久保棋王が華麗に切り込んでまとめた。

感想戦コメントを見て驚いたのは、渡辺竜王が終始形勢に悲観的だったこと。もちろん対局者にしかわからないこともあるので、あれなんだけど、客観的には、そこまで悲観するような差が開いているようには見えなかった。完封勝ちのつもりが、ほころびがでて勝負形になってしまったことに嫌気がさしたのかなあ。たぶん正確な形勢については観戦記を待った方がよさそう。久保棋王は、一時相当に苦しかったと思うけど、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んで、チャンスを待ったのは凄まじい精神力だ。A級順位戦もそうだったけど、最近の久保棋王の精神力は驚異的だ。深浦九段かと思うくらいだ。こんなに強いのに、A級は降級争いに巻き込まれるとは、なんたる魔の住み処か。

そうそう、チャットの佐藤(紳)六段は面白かった。おやつ&昼食の自主報告、妹(?)乱入と期待通りの大活躍。しかし、急所の指し手の読みは的確で、非常に参考になった。あと、ブログの写真見て思ったんだけど、矢内女流四段、痩せた?近藤六段の「ごきげん中飛車」という色紙は笑った。でも、代名詞になるような戦法がある(しかも流行している)っていいことですよね。きっと、内心うらやましいと思った棋士は多いのでは?

さて、これで、二勝一敗で、久保棋王が防衛に王手。次局は、久保棋王の後手番なので、また中飛車になるでしょう。渡辺竜王の対策が注目されます。もう一回、5八金右超急戦か、あるいは穴熊か。何となく、穴熊な気がするので、穴熊と予想。

次局も熱戦に期待。


タグ:棋王戦 将棋

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