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柏の放射線量(10) [夜話]

一度書いて投稿した記事がサーバーのエラーで消えた・・・(>_<) 久々に痛い目にあったよ。しかもそういうときに限ってバックアップ取ってないし・・・。

はぁ。

さて、気を取り直して、今日は久々に、柏の放射線量データの整理の続報です。

まずは、グラフをご覧ください。

Kashiwa_graph_7.jpg

グラフは、縦軸が空間線量率、横軸が日付で、点が観測値、Fitの線が理論曲線です。UTKは東大柏キャンパス、NCC_Aはがんセンターの屋上、NCC_Bはがんセンターの敷地境界を表します。

東大柏キャンパスは、5/12で測定地点を変更したので、そこまでで切っています。

・・・う~ん。正直なところ、測定地点は変えないでほしかったです。せっかくデータ整理してきたのが、価値が半減してしまうからです。これ、測定を担当してた人も、このデータ使って論文にしてやろうとか思わなかったのかな?・・・もったいないなあ。

それは、さておき、がんセンター屋上は、あれ以来低めですね。ここへ来て、さらに減少して、3/21以前のレベルに迫る勢いです。放射壊変によって減少しているようなパターンとも少し違う気がするので、何らかの原因で、放射性物質が取り除かれているのだと推測します。掃除か雨かあるいは、その複合か。

調べてみると、豪雨が降ると少し線量値が減少する傾向は、北茨城などでも見られ、自然に流れ去っている可能性も捨てきれないことが分かってきました。ただ、がんセンター屋上の値が急に減った日は、そういう天気でもありませんでしたので、たぶん掃除かなあと想像します。最近急に減ったのは、このところの嵐のせいかもしれない・・・ということです。

また、がんセンター敷地境界の値について、微妙ではありますが、理論曲線よりも少し低めで来ているようにも見えてきました。

こちらは屋上と違って緩やかに来ているので、おそらく、これまで考えていなかった「半減期10~40日くらいの放射性物質」があって、それが壊変によって減少しているのが見えている可能性が高そうだと思っています。

136Csあたりが、候補ではありますが、理科年表で調べてみたところ、他にも候補となるような物質がたくさんあることが分かったので、特定することはあきらめました・・・。

もしかして、これらの放射性物質群の複合的な影響の結果を見ているのだとすれば、それぞれの物質一つ一つの影響は小さく、検出器で判定することも難しいかもしれません。

いずれにしても、予想よりも少し早めに減少しているのは、比較的良いニュースなのでしょう。

今後も、この観測点の値を見守っていきたいと思います。


タグ:放射線量
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流れ外科医

 いつもコメ欄汚しで失礼いたします。

 こちらの方↓は134Csを入れてフィットさせているようです。
 http://blog.goo.ne.jp/chemist_at_univ/e/97c140fd1ad6a7f1f5e6c0f5889317ae

 本当に134Csの寄与が大きいのであれば 減衰も早そうなので ちょっとはありがたいんですけど。
by 流れ外科医 (2011-06-03 23:43) 

お名前(必須)

こんばんは、蕁麻疹です!
実行線量のまとめ、とてもわかりやすかったです。大丈夫なんだと、前向きに行きたいと思います。だけど、吐き出させてください。私にはもう少しで生後四ヶ月になる乳児がいます。震災のあった三月は、まだ一ヶ月の新生児でした。止まない余震の中、乳児と2人でいるのが不安で、実家の流山市と自宅の柏市を行ったり来たりしてしまいました。原発が大変な事になっていたのに…。水琴さんのブログを何度も何度も読み、大丈夫だと自分に言い聞かせていますが、まだ新生児だった我が子をどれくらい被曝させてしまったのだろうかと考えると、不安で眠れなくなる時があります。自宅に閉じこもっていればよかったのに、自分が馬鹿だったばっかりに。本当に情けないです。柏市でもまだ所々に線量が高い場所があり不安になりますが、水琴さんの記事を読み返し、冷静に対処していけたらなと思います。だらだらと長文を書いてしまい、申し訳ございませんでした。
by お名前(必須) (2011-06-04 01:11) 

流れ外科医

 蕁麻疹さま、幼いお子様をお持ちだと さぞかしご心配のことと思います。
 原発自体がもう一度爆発することがなければ、今の状態が続いていくのでしょう。
 大量のセシウムと この先100年以上も同居するのは悲惨なことですが、あれだけの災害から家族みんなで生き残っていることは 3月15日の朝から考えると 「考えうる限り最悪」まではいかなかったとも考えています。
 過去のことを振り返っても仕方がありません。
 これからを より安全に生きることを みんなで考えていきましょう。

 柏の現状認識は 私も「脱出するほどではない」です。
 水琴さんの「実効線量関係のまとめ」に書かれていることに加えて、外部被曝は家に居る時間は低減されるので 実際の被曝量は単純な計算よりも少なくなっているはずです。
 下の方が 実際に松戸で屋内と屋外の差を計測されています。
 http://matsudogeiger.blog97.fc2.com/ 

 あまり悲観なさらず、あまり楽観なさらず、この先長い長い戦いを生き抜いていきましょう。
by 流れ外科医 (2011-06-04 07:19) 

水琴

流れ外科医さん>

ご紹介ありがとうございます。同じようなことを考えている人はいるものですね。

実は、私の理論曲線は、134Csと137Csが、Bq換算で1:1で入っているという仮定で、一応134Csも含めて計算されています。この比率はKEKや福島第一での大気中の放射能の測定結果に基づいています。

ヒントを得て、試しに134Csを100%で137Csは0%ということをしてみたんですが、確かにフィットしてきますね。ただ、計測による裏付けがないのが難点・・・。

by 水琴 (2011-06-04 10:03) 

水琴

蕁麻疹さん>

母が弟を妊娠していたときに、チェルノブイリの事故がありました。母は、そのとき、雨に当たったことをずっと気にしていて、泣いていたのを思い出しました。

結果的に別に健康上どうということはなかったわけですが、そのときは、私も子供ながらに何かまずいことが起こっていると不安な思いでいっぱいでした。

今回も柏の辺りの線量では健康上どうということはないはずです。

また、3/21より前は、実際、ほとんど平常値付近でした。3/15の午後三時前後だけ瞬間的に0.7μSv/h程度の時間帯がありましたが、それも夕方には平常値に戻りました。そういうわけで多少出歩いたくらいでは、大差なかったと思います。

一方で、親御さんの不安は、お子さんにすごく増幅して伝わってしまうと思います(少なくとも私の小さいときはそうでした)。流れ外科医さんもおっしゃってますが、悲観せず、楽観せず、落ち着いて日々を暮らしていくことが大事かなあと思います。

by 水琴 (2011-06-04 13:33) 

蕁麻疹

流れ外科医さま、水琴さま、お返事ありがとうございます。
流れ外科医さま、>これからを より安全に生きることを みんなで考えていきましょう
本当にそうですね、過ぎたことにたいしてくよくよしていても、何も始まりませんよね。兼業主婦の方のブログ、参考になりました。外干しの実験までされていて尊敬です。
水琴さん、チェルノブイリ事故の雨、
人の親となった今、その当時のお母様の気持ちが痛い程わかります。まだ三才だった水琴さんの記憶に残る程、感情が抑えられなかったんですね。
でもやっぱり、子供を不安にさせては
だめなんですよね。私が笑うと子も笑ってくれます。いつも笑顔でいられるように、でもあまり楽観視し過ぎないように、バランスよく頑張っていけたけらなと思います。
お二方からお返事をいただき、また冷静になれました。ありがとうございました!
ブログの更新、これからも楽しみにしています。前に記事にしていた、理系の人々 という本、読んでみたいので本屋に行ってみます( ´ ▽ ` )
by 蕁麻疹 (2011-06-04 21:31) 

たろう

こんにちは

分析センターの空間放射線量率グラフが更新されたようです

雨の日にCsに僅かに動きが見られる傾向は変わらない様です

現在のCs134の空間線量への寄与は控えめに見てもCs137の倍
くらいある様に見えますが、とすれば、空間線量の減衰という視点
だけで見ると、土壌中のCs134の半減ペースよりやや早まっていく
傾向になる様にも思うのですが・・
by たろう (2011-06-10 14:28) 

水琴

たろう さん>

こんばんは。確かにグラフからは、134Csの寄与が137Csの3倍はあるように読み取れます。非常に不思議ですね。

放射線のエネルギー準位もほとんど差がないですし、降下物・浮遊じん・土壌など、いずれをとっても放射能の存在比にほとんど差がないのに、なぜ空間線量率データだけこのような傾向を見せるんでしょうか・・・。謎です。

仮にこちらのデータのほうが正しいとすると、空間線量率の減少ペースは当初の予想よりも速くなりますが・・・。

by 水琴 (2011-06-11 09:35) 

流れ外科医

 セシウムの沈着量から周辺線量率への換算係数はCs137+Ba137mで 2.1E-06[(mSv/h)/(kBq/m2)]。
 対してCs134は5.4E-06[(mSv/h)/(kBq/m2)]と 2倍以上に大きな係数が与えられています。

 今時点で 空間線量率が0.4μSv/hを越えてるような場所だと Cs137が5万ベクレルで0.105μSv/h、Cs134も同比率で0.27μSv/hだったのが少し減ってきているかも、バックグラウンドが0.05μSv/hで大体説明が付きそうな気がしています。

 2つの因子だけで大雑把な空想なんですが、今0.4μSv/hの地点だと1年後は0.35μSv/hくらい、2年後は0.3くらいといったところかと思っています。
by 流れ外科医 (2011-06-13 16:24) 

水琴

流れ外科医さん>

そうなんですね・・・。知りませんでした。その係数を採用すると、フィッティングは改善すると思います。今度、時間のあるときにやってみます。

by 水琴 (2011-06-13 22:44) 

流れ外科医

 上の数字は IAEA-TECDOC-1162からの引用です。

 福島県内の線量率と土壌汚染度との関係は 下の資料に出ていました。 http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2011/siryo16/siryo2.pdf

 IAEAの係数が無間平面での汚染を想定しているのに対して、実測では 地中への浸透度や地形によって(あるいは採取手技の問題も?)随分バラツキが出ている印象です。
by 流れ外科医 (2011-06-15 12:25) 

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