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Qちゃんとヤワラちゃん [夜話]

谷亮子選手が選挙に出るらしい。

オリンピックで活躍する格闘家の政治家というのは、ロシアのグレコローマンスタイルのレスリング選手カレリンを思い出す。
"人類最強の男"と呼ばれ、オリンピック三連覇中だった彼は、議員でも金かつ格闘系種目で史上初の五輪四連覇を目指したが、残念ながら果たせなかった。
議員の仕事に追われたためのトレーニング不足か、そもそも年齢的な限界だったのか、最後の五輪では必殺技カレリンリフトが一度も発動しなかった。
とはいえ、銀メダルだったのだから、もちろん強かったのだけど。

閑話休題。

一方で高橋尚子選手にも出馬依頼があったらしいが、高橋選手はあっさり断ったとのこと。

両者とも著名な金メダリストで人気の高い選手であるが、今回の対応ははっきりと分かれた。
そのことについて、色々とネット上では物議を醸しているようだが、私はとりあえずそれには触れない。

ここでは、このようなことに至った背景について想像してみたい。
(あくまで想像ですので事実と異なる可能性は大いにあります。念のため。)

谷選手はもともと練習環境の不備などをきちんと指摘して修正していくということを重視していると聞いたことがある。
これをワガママ、横柄とする論調もあったみたいが、私はそうとは思わない。
練習環境の不備を指摘するのは、若手や弱い選手にはきわめて困難だ。それこそ、「何様だ!」ということになりやすい。
だから我慢してやることになってしまうが、環境が悪いのは、誰かが指摘してそれを直して行かなくては日本柔道界にとっては中長期的にはマイナスである。
みんなが黙っていては、選手個人の謙虚さという美徳は守られても、競技レベルの全体的な向上は望めないだろう。
しかし、その場で一番強い谷選手が言えば、その不備は直る。そういうことを、たとえ嫌われても指摘して直していくのは、どんな分野においても第一人者のつとめだ。

彼女が、スポーツ振興のために立候補するというのは、実際、そういうことを念頭に置いて決断したのではないかと私は思う。
彼女は、一人の競技する選手としてだけでなく、自分が日本柔道界をしょって立たなければという意識がどこか根底にあるような気がする。
そういうことは、誰かがやらなくてはいけないことで、責任を回避し安全な所から文句ばかり言う日本人が多い中で、ちゃんと引き受けているのは立派だと私は思うなあ。


一方で、高橋選手はどうだろうか。高橋選手の場合は、小出監督というきわめて優秀なコーチがいた。
私の見ていた限り、基本的に練習環境の整備から陸連内の政治的配慮を小出監督がほとんど完璧にこなし、高橋選手は競技のみに専念できる状況にあったと思う。
従って、日本マラソン界をしょって立たなければみたいな感じは全くなく、一人の競技者として純粋に走ることを楽しみ、観客を楽しませ、そして今はその楽しさを後進や一般ランナーとともに味わい、伝えることだけを考えていると思う。
それゆえ、政治?何で私が?ということになったのではないか。
彼女の目的からすれば、市民レベルでやりますというのが、謙遜でも何でもなく、最善の選択であるのは明らかだ。
もちろん彼女が目指していることもまた自然だし、とてもすてきなこと。



おふたりの一層の活躍を祈ってます。



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