約束

人という生き物は、よく約束する。
仕事だったり、デートだったり、友達との飲み会だったり、大小軽重もろもろ、ちまたに約束はあふれている。

約束は守るに越したことはない。
だが、不幸にして何回かに一度は守れないこともある。

そんなとき、あなたがこれまでずっと約束を守ってきた人だったら、きっと、許してくれるだろう。むしろ、相手は一体何事があったのかと逆にあなたのことを心配してくれるかもしれない。
あなたが、これまでずっと約束を破ってきたとしよう。きっと「またか」と流されるだろう。そして徐々に人が離れていくだろう。

もちろん人は、そんな両極端じゃない。
中途半端に守り、破る。それはときに悲劇。

たとえばね。
どこかに誘ったとき、「忙しいけど、たぶん行けるから」と言われたら、きっと、うきうき楽しみに待つでしょう。でも忙しそうで心配だから「大丈夫？」と確認したりなどして。返事は、いつも「大丈夫」。それなのに、当日になって「ごめん、やっぱり行けなくなった」ときたら、がっかりして頭が真っ白になる。そんなことなら、最初から無理と言ってくれれば楽しみにしなかったのにと思う。舞い上がっただけ、落ちたときにはつらい。

ああ、あなたは、そのときの心の痛みを知っていながら、守れない約束をしたの？
この痛みはね。本当につらいんだよ。

あとから誠意とか言ったって無駄。ばかにしないで。