どうはぶ [将棋]
どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?
を、読みました。
本書は、誰もが問うてみたいけれども何となく問えない表題の疑問について、著者が呻吟した過程を表したものである。もちろん、本書において結論は出ていない。ただし、著者の仮説は、最後に述べられている。その仮説は、多くの将棋ファンが何となくそう感じているようなことが、わかりやすく明文化されたものと言っていいだろう。その意味では、特別に目新しいことはないと思われそうだが、本書のおもしろさは、そういうところではない。
表題の疑問に対する回答を探る・・・という建前で、最近のタイトル戦から五局取り上げ、当事者に対局から少し間を置いてインタビューしたという部分が、非常に面白い。建前で・・・と書いたが、おそらく、著者がもっとも伝えたかったのは、このインタビュー部分ではないか。将棋とそれにのみ生きる棋士という人間の魅力をわかりやすく伝えたいというのが、そもそも著者がこの世界に関わったモチベーションなのだから、ある意味では、これもあたりまえかもしれない。
しかし、面白い。なかでも私が個人的に気に入ったのは、山崎七段への取材だ。山崎七段は、名人戦のBS解説のアレが一般には有名になってしまっているかもしれないけど、非常に強い若手居飛車党だ。スマートな見た目に反して、独創的な力将棋を好む。今回のインタビューでは、かなり内心をオープンにしてくれている。
まあ、全体として言うと、タイトル戦の中継を追っかけているような将棋ファンからすると、見たことある内容が多い。当たり前か。何にせよ、インタビュー部分にこそ、この本は価値があると思った。
そうそう、第81期棋聖戦第一局羽生-深浦戦の69手目▲4五桂に替えて▲2二とから斬り合って先手勝ちという結論が出ていたのは知りませんでした。このように、ちょっとマニアックなファンも楽しめるような内容も含まれていながら、全体としてわかりやすくまとめているのは、さすがですね。
どうして羽生さんだけが、そんなに強いんですか?―現代将棋と進化の物語
- 作者: 梅田望夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2010/11/25
- メディア: 単行本
を、読みました。
本書は、誰もが問うてみたいけれども何となく問えない表題の疑問について、著者が呻吟した過程を表したものである。もちろん、本書において結論は出ていない。ただし、著者の仮説は、最後に述べられている。その仮説は、多くの将棋ファンが何となくそう感じているようなことが、わかりやすく明文化されたものと言っていいだろう。その意味では、特別に目新しいことはないと思われそうだが、本書のおもしろさは、そういうところではない。
表題の疑問に対する回答を探る・・・という建前で、最近のタイトル戦から五局取り上げ、当事者に対局から少し間を置いてインタビューしたという部分が、非常に面白い。建前で・・・と書いたが、おそらく、著者がもっとも伝えたかったのは、このインタビュー部分ではないか。将棋とそれにのみ生きる棋士という人間の魅力をわかりやすく伝えたいというのが、そもそも著者がこの世界に関わったモチベーションなのだから、ある意味では、これもあたりまえかもしれない。
しかし、面白い。なかでも私が個人的に気に入ったのは、山崎七段への取材だ。山崎七段は、名人戦のBS解説のアレが一般には有名になってしまっているかもしれないけど、非常に強い若手居飛車党だ。スマートな見た目に反して、独創的な力将棋を好む。今回のインタビューでは、かなり内心をオープンにしてくれている。
まあ、全体として言うと、タイトル戦の中継を追っかけているような将棋ファンからすると、見たことある内容が多い。当たり前か。何にせよ、インタビュー部分にこそ、この本は価値があると思った。
そうそう、第81期棋聖戦第一局羽生-深浦戦の69手目▲4五桂に替えて▲2二とから斬り合って先手勝ちという結論が出ていたのは知りませんでした。このように、ちょっとマニアックなファンも楽しめるような内容も含まれていながら、全体としてわかりやすくまとめているのは、さすがですね。
勝手ですが、本日私のブログに読んでいるブログ登録させていただきました。今後ともよろしくおねがいします。
by 尚武帝 なお (2011-03-01 13:54)
尚武帝 なお さん>
はじめまして。
こちらこそ、よろしくお願いします。
つたないブログですが、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
by 水琴 (2011-03-02 00:05)