トン死するコンピュータ [将棋]
将棋世界八月号の連載「コンピュータは七冠の夢を見るか?」で今年のコンピュータ将棋選手権について分析したのが載ってるんだけど、ちょっと興味をひいたのが、Bonanza Felizのトン死に関する記事。
(↑毎度ながら、アフィリエイト登録してないから別にクリックしなくていいです(^^))
将棋のコンピュータソフトは概して終盤が得意だ。基本的に、終盤は構想力よりも具体的な読みがものを言う世界になってくるので、コンピュータの計算処理能力が生きる分野。特に詰みは、純粋に理詰めだけの世界なので、コンピュータが最も得意とするところだ・・・と思われている。もちろん水琴もそう思っていた。コンピュータソフト相手に終盤逆転勝ちするのは、アマチュアでは有段者でもほとんど不可能に近い。
・・・にも関わらず、コンピュータがトン死?トン死したってことは自玉の詰みを読み切れなかったっということだよね。にわかには信じがたい(>_<)
記事によると、Bonanza系は詰め将棋ルーチンを積んでいないということが主な原因らしい。要するに詰みに特化した思考回路を持っていないので、序盤~終盤までずっと同じ思考回路で戦っているらしい。だから、時々長手数の詰みは見逃したりすることがあるとのこと。でも、詰め将棋ルーチンはバグを含みやすいとか、まだいろいろな問題があるので採用を見送っているとのこと。ふ~ん、なるほどね。
もう一つの原因は、「コンピュータはおそれを知らない」ってことらしい。当たり前だけど。人間ならば、安全勝ちが見込める場合は、無理に相手玉を寄せようとせず自玉を安全にして勝ちきるという選択肢を選ぶ。でもコンピュータは敵玉・自玉の危険度と関係なく、一直線の斬り合いを選んでしまう傾向がある・・・というわけ。
と、そういえば・・・。以前ボナンザと指してたときにボナンザがトン死したことがあったような気がする・・・。
ゴソゴソ。あった、あった(^_^)v
図は、先手(水琴)の居飛車穴熊vs後手(Bonanza)の普通の四間飛車の終盤戦。中盤、穴熊らしく飛車を見捨ててがんがん行ったことは良いけど、さすがにちょっとやりすぎで、盤上の馬と角+持ち駒の金桂では、ちょっと息切れ気味。今、後手から△8六歩と打ってきたところ。取ると△8七歩だし、放っておいて次に△8七歩成とされると、ほとんど受けなし。一方、先手からは、思わしい王手も詰めろもない・・・。▲9四桂は△同香、▲9三金、△8一玉の時に一枚足りない。
そこで、最後のお願いということで、水琴は怪しげな手を繰り出してみた。
それが、図の▲9五桂。この手は詰めろでも何でもない。この忙しい終盤で何ともボンヤリとした手ですが・・・。まあ、一応、△同香なら▲9三金から攻め込んだときに、タイミングを見て▲9五歩と香車を補充できるのが大きく、何とか攻めが続けられそう。今の瞬間は相当渡しても詰まないので、攻めが続けばチャンスはある・・・と思ってました。
そこで、Bonanzaが指した次の手は・・・、
ノータイムで初志貫徹の△8七歩成。・・・でも、これはココセ(^_^)v
8筋の歩を取り込んだせいで先手から8筋に歩が立つようになってしまった。そのため、この瞬間▲8三歩から後手玉は即詰み。なんとBonanzaがトン死した!
これがあるので、▲9五桂のもう一つの狙い・・・というか本当の狙いは、△8七歩成と取り込めないようにすることでした。△8七歩成が入らなければ、先手玉はまだまだ耐えられる・・・ということで、▲9五桂は防御重視の受けの手のつもりでした。とはいえ、▲9五桂の瞬間はなんでもないので、△8三香や△6二金(銀)くらいでも分が悪い戦いだったはず。要するに、▲8三歩からの詰み筋を消してから、△8七歩成を目指されていたら、はっきり先手が負けていたと思う。
実戦は▲8三歩を指した瞬間にコンピュータが即詰みを読み切り、それまでCPUファンがガンガン回っていたのに急に静かになった(笑)
・・・コンピュータがトン死するとは思ってないから、▲8三歩で詰むと思ってるのは錯覚かと思って、こちらは超ドキドキしてたけど(>_<)
以下は、実戦は△同銀、▲同桂成、△同玉、▲7三角成、△同玉、▲8五桂、△8三玉、▲8四歩、△同玉、▲7三銀、△8三玉、▲8四金、△9二玉、▲9三金、△8一玉、▲8二歩、△同飛、▲同銀成まで。途中、▲7三銀に△8五玉と桂馬を取るのは、▲7七桂、△同と、▲8六歩、△同玉、▲7七金、△8五玉、▲8六歩、△9四玉、▲8四金まで。
8筋に歩を打つ手が何度も出てくる手順で、△8七歩成として8筋に歩が立つようにしたことがいかに罪深いかということが良く分かる結果に。コンピュータにも終盤の読み抜けってあるんだね~。
まあ、これも人間だったら、▲9五桂の瞬間に「なんだ?終盤にボケた手?こいつ何か企んでるな・・・そうか8筋に歩が立つと詰むって寸法か・・・」みたいに看破されそうなもんだけどね。
いやはや超ラッキーでした(^^;)
というわけで、コンピュータ将棋もトン死する!・・・の巻でしたとさ。
(↑毎度ながら、アフィリエイト登録してないから別にクリックしなくていいです(^^))
将棋のコンピュータソフトは概して終盤が得意だ。基本的に、終盤は構想力よりも具体的な読みがものを言う世界になってくるので、コンピュータの計算処理能力が生きる分野。特に詰みは、純粋に理詰めだけの世界なので、コンピュータが最も得意とするところだ・・・と思われている。もちろん水琴もそう思っていた。コンピュータソフト相手に終盤逆転勝ちするのは、アマチュアでは有段者でもほとんど不可能に近い。
・・・にも関わらず、コンピュータがトン死?トン死したってことは自玉の詰みを読み切れなかったっということだよね。にわかには信じがたい(>_<)
記事によると、Bonanza系は詰め将棋ルーチンを積んでいないということが主な原因らしい。要するに詰みに特化した思考回路を持っていないので、序盤~終盤までずっと同じ思考回路で戦っているらしい。だから、時々長手数の詰みは見逃したりすることがあるとのこと。でも、詰め将棋ルーチンはバグを含みやすいとか、まだいろいろな問題があるので採用を見送っているとのこと。ふ~ん、なるほどね。
もう一つの原因は、「コンピュータはおそれを知らない」ってことらしい。当たり前だけど。人間ならば、安全勝ちが見込める場合は、無理に相手玉を寄せようとせず自玉を安全にして勝ちきるという選択肢を選ぶ。でもコンピュータは敵玉・自玉の危険度と関係なく、一直線の斬り合いを選んでしまう傾向がある・・・というわけ。
と、そういえば・・・。以前ボナンザと指してたときにボナンザがトン死したことがあったような気がする・・・。
ゴソゴソ。あった、あった(^_^)v
図は、先手(水琴)の居飛車穴熊vs後手(Bonanza)の普通の四間飛車の終盤戦。中盤、穴熊らしく飛車を見捨ててがんがん行ったことは良いけど、さすがにちょっとやりすぎで、盤上の馬と角+持ち駒の金桂では、ちょっと息切れ気味。今、後手から△8六歩と打ってきたところ。取ると△8七歩だし、放っておいて次に△8七歩成とされると、ほとんど受けなし。一方、先手からは、思わしい王手も詰めろもない・・・。▲9四桂は△同香、▲9三金、△8一玉の時に一枚足りない。
そこで、最後のお願いということで、水琴は怪しげな手を繰り出してみた。
それが、図の▲9五桂。この手は詰めろでも何でもない。この忙しい終盤で何ともボンヤリとした手ですが・・・。まあ、一応、△同香なら▲9三金から攻め込んだときに、タイミングを見て▲9五歩と香車を補充できるのが大きく、何とか攻めが続けられそう。今の瞬間は相当渡しても詰まないので、攻めが続けばチャンスはある・・・と思ってました。
そこで、Bonanzaが指した次の手は・・・、
ノータイムで初志貫徹の△8七歩成。・・・でも、これはココセ(^_^)v
8筋の歩を取り込んだせいで先手から8筋に歩が立つようになってしまった。そのため、この瞬間▲8三歩から後手玉は即詰み。なんとBonanzaがトン死した!
これがあるので、▲9五桂のもう一つの狙い・・・というか本当の狙いは、△8七歩成と取り込めないようにすることでした。△8七歩成が入らなければ、先手玉はまだまだ耐えられる・・・ということで、▲9五桂は防御重視の受けの手のつもりでした。とはいえ、▲9五桂の瞬間はなんでもないので、△8三香や△6二金(銀)くらいでも分が悪い戦いだったはず。要するに、▲8三歩からの詰み筋を消してから、△8七歩成を目指されていたら、はっきり先手が負けていたと思う。
実戦は▲8三歩を指した瞬間にコンピュータが即詰みを読み切り、それまでCPUファンがガンガン回っていたのに急に静かになった(笑)
・・・コンピュータがトン死するとは思ってないから、▲8三歩で詰むと思ってるのは錯覚かと思って、こちらは超ドキドキしてたけど(>_<)
以下は、実戦は△同銀、▲同桂成、△同玉、▲7三角成、△同玉、▲8五桂、△8三玉、▲8四歩、△同玉、▲7三銀、△8三玉、▲8四金、△9二玉、▲9三金、△8一玉、▲8二歩、△同飛、▲同銀成まで。途中、▲7三銀に△8五玉と桂馬を取るのは、▲7七桂、△同と、▲8六歩、△同玉、▲7七金、△8五玉、▲8六歩、△9四玉、▲8四金まで。
8筋に歩を打つ手が何度も出てくる手順で、△8七歩成として8筋に歩が立つようにしたことがいかに罪深いかということが良く分かる結果に。コンピュータにも終盤の読み抜けってあるんだね~。
まあ、これも人間だったら、▲9五桂の瞬間に「なんだ?終盤にボケた手?こいつ何か企んでるな・・・そうか8筋に歩が立つと詰むって寸法か・・・」みたいに看破されそうなもんだけどね。
いやはや超ラッキーでした(^^;)
というわけで、コンピュータ将棋もトン死する!・・・の巻でしたとさ。
コメント 0